その後の事務所内の雰囲気は居心地が悪く、マニュアルを読みながらパソコンへ向かう深見さんのイライラが伝わってきた。
そんな中でも時間は待ってくれるわけもなく、仕事量が減るわけでもないので、わたしは秋に向けての手帳とカレンダーの棚割りを作成していた。
すると、何だか中村くんの様子がおかしく、どう見ても困っているようだった。
「中村くん?どうしたの?どこか分からないとこあるの?」
わたしがそう声を掛けると、中村くんは申し訳なさそうに「大型家電を店頭に展示している店舗と、してない店舗が分からなくて、、、」と言った。
「あぁ、それならね、大型店は大体展示してるよ。だから、H店、S店、N店くらいかな。あとの店舗は展示なしで承れるけど、今回の広告品はK店とM店だけ取扱い対象外になってるから気をつけてね。」
「はい、分かりました。ありがとうございます。」
こんな雰囲気の中だったから、きっと聞きづらかったんだろうなぁ。
わたしはそう思いながら、とりあえず中村くんの悩みを解消できたことにホッとし、自分の仕事を続けた。
そして大体の社員たちが休憩を取り始めるお昼頃。
わたしは一足遅く、久しぶりにきちんと休憩を取ろうと、事務所を出て食堂へと向かった。
そして、パンの自動販売機の目の前まで来る。
何にしようかなぁ。
そう思っていると、既に休憩に入っていた深見さんと渋谷さんの愚痴が聞こえてきた。



