「それでは、僕たちの婚約発表までに、三月間ほど待機期間を作りましょう……婚約破棄をされた貴女を望むことは僕の勝手ですし、反対するような両親も居ない。この状況で、ロベルトが僕に何かを言うはずもありません」
「……それは! その通りです……けど」
私が懸念している事については、ニコラス様の言う通りだ。
時間を空ければ何の前触れもなく、いきなり婚約破棄された私にも、同情的な意見だって出て来るだろう。
それに言葉は悪いけれど、ロベルトは私を捨てたのだ。自分を捨てた男性に対し、遠慮を抱く必要性も感じない。
けれど……。
「まだ、何か……?」
「ニコラス様。私を妻にと望まれた理由は、何でしょうか……? 可哀想だと同情が理由であれば、お止めください。ニコラス様のように優しく素敵な男性には、心から愛する人と結ばれて欲しいのです」
婚約破棄されて、これから先の未来が見えずに、途方に暮れている。そんな私を見て、自分が引き受けてあげようと思ったのかもしれない。
それはいけないと思った。これは彼の一生を左右することなのに。
「……それは! その通りです……けど」
私が懸念している事については、ニコラス様の言う通りだ。
時間を空ければ何の前触れもなく、いきなり婚約破棄された私にも、同情的な意見だって出て来るだろう。
それに言葉は悪いけれど、ロベルトは私を捨てたのだ。自分を捨てた男性に対し、遠慮を抱く必要性も感じない。
けれど……。
「まだ、何か……?」
「ニコラス様。私を妻にと望まれた理由は、何でしょうか……? 可哀想だと同情が理由であれば、お止めください。ニコラス様のように優しく素敵な男性には、心から愛する人と結ばれて欲しいのです」
婚約破棄されて、これから先の未来が見えずに、途方に暮れている。そんな私を見て、自分が引き受けてあげようと思ったのかもしれない。
それはいけないと思った。これは彼の一生を左右することなのに。



