評判が落ちてしまった貴族令嬢に対し、求婚者が居なくなるという流れは、どうしても出来てしまうからだ。
だから、私だってそうなるものだと思って居た。
……つい、さきほどまでは。
「いえ。ルシール嬢は婚約者が居たから、誰も手が出せなかっただけで、独り身となれば、すぐに求婚者が列を成すでしょうね」
「そんな……そのお一人が、ニコラス様であると?」
「ああ……ええ。列の中に並んでも構いませんよ。きっと……僕を選ばせてみせましょう」
そんな自信満々の態度にも、嫌味な感じはしなかった。
例えれば、ニコラス様は貴族令嬢が求婚者として望むもの、すべてを持っている。
既に爵位も継いでいるから、家長として、誰にも従う必要はない。強いて言えば、王以外には遠慮などする必要はないのだ。
「……正直に言ってしまうと……とても魅力的な申し出なのですが、私は婚約破棄されてしまい、すぐに婚約となると、ニコラス様の評判を落としかねません。ですから……」
だから、私だってそうなるものだと思って居た。
……つい、さきほどまでは。
「いえ。ルシール嬢は婚約者が居たから、誰も手が出せなかっただけで、独り身となれば、すぐに求婚者が列を成すでしょうね」
「そんな……そのお一人が、ニコラス様であると?」
「ああ……ええ。列の中に並んでも構いませんよ。きっと……僕を選ばせてみせましょう」
そんな自信満々の態度にも、嫌味な感じはしなかった。
例えれば、ニコラス様は貴族令嬢が求婚者として望むもの、すべてを持っている。
既に爵位も継いでいるから、家長として、誰にも従う必要はない。強いて言えば、王以外には遠慮などする必要はないのだ。
「……正直に言ってしまうと……とても魅力的な申し出なのですが、私は婚約破棄されてしまい、すぐに婚約となると、ニコラス様の評判を落としかねません。ですから……」



