「君は……ロベルトから婚約破棄されたことで生じる不利益は……次の嫁ぎ先くらいですか」
「ええ。そうですわ。ロベルトのことは好きでもありませんが、嫌いでもありません。将来結婚する男性という認識で、特に執着などもありません……けれど、あのように婚約破棄されてしまうと、私に次なる求婚者は望めないと思うのです」
自分は突然の事態を前にしても、落ち着いて適切な行動を取れていると思って居た私も、少々混乱しているのかもしれない。
……仕方ないわ。
婚約者から、婚約破棄されたのよ。長い人生でも、何度もあることでもないもの。
「では、僕がここでルシール嬢に求婚したいと言えば、受けていただけますか?」
私はその言葉を聞いて、頭の中が真っ白になった。
結婚……? 私が……? ブライアント公爵であるニコラス様と……?
まじまじと目の前に居る彼を見つめた。ニコラス様は容姿端麗かつ、高い身分をお持ちの魅力的な男性だ。
私と同程度の年齢でまだ婚約者の決まらぬ貴族令嬢たちは、寄ると触ると彼の噂をしている。
「ええ。そうですわ。ロベルトのことは好きでもありませんが、嫌いでもありません。将来結婚する男性という認識で、特に執着などもありません……けれど、あのように婚約破棄されてしまうと、私に次なる求婚者は望めないと思うのです」
自分は突然の事態を前にしても、落ち着いて適切な行動を取れていると思って居た私も、少々混乱しているのかもしれない。
……仕方ないわ。
婚約者から、婚約破棄されたのよ。長い人生でも、何度もあることでもないもの。
「では、僕がここでルシール嬢に求婚したいと言えば、受けていただけますか?」
私はその言葉を聞いて、頭の中が真っ白になった。
結婚……? 私が……? ブライアント公爵であるニコラス様と……?
まじまじと目の前に居る彼を見つめた。ニコラス様は容姿端麗かつ、高い身分をお持ちの魅力的な男性だ。
私と同程度の年齢でまだ婚約者の決まらぬ貴族令嬢たちは、寄ると触ると彼の噂をしている。



