「おめでとうございます!」
選挙の日の放課後、生徒会室に生徒会メンバーが集まった。
選挙に勝った新しい生徒会役員も集まっている。
正式な新しい生徒会の発足は来月から。今日は選挙のお疲れ様会だ。
部屋の雰囲気は明るくにぎやか。
新しい生徒会長が決まった祝いの場所だからね。
それなのに……。
常盤君はあからさまにぶすっとした顔で机に突っ伏している。
「ちょっと常盤君。態度悪いよ」
「そりゃ態度も悪くなるだろ。俺は選挙に負けたんだから」
開票の結果、次の生徒会長は一色君に決まった。
得票率は五十五パーセント。
かなりの接戦だ。
それでも常盤君が負けたことには変わりない。それがかなり不満みたい。
「だからってその態度はないでしょ」
全く大人気ないんだから。
常盤君ってたまにこういう子どもみたいなところがあるよね。
それはそれで可愛いんだけど。たまにはしっかりしてほしいよ。
「一色、お疲れ様。今回の選挙は見事な戦いだった。これからの生徒会を頼むぞ」
諏訪会長が迫力ある声で一色君に声をかける。
「常盤もお疲れさま」
一色君に続いて諏訪先輩は常盤君にも声をかけた。
「選挙が校内の注目を集めたのは常盤と一色が見事な戦いをしたからだ。本当二人ともよく頑張ったな」
諏訪先輩に言われても常盤君はむすっとした表情を変えない。
気持ちはわかるけど切り替えていかないと。
「もう、いつまでそんな顔してるのさ」
「常盤はいいな、こんなに素敵なパートナーがいて」
諏訪先輩の一言にドキッとする。
「私はそんな……」
「あれ、二人はパートナーじゃなかったのか?」
諏訪先輩が意味深な笑みを浮かべる。
そうだけど、そうじゃないの!
生徒会のメンバーには付き合っていることまだ言ってないのに。
「常盤、いい勝負だったな」
一色君が常盤君に手を差し伸べる。
「これからも僕と一緒に頑張ってほしい」
「俺はもう副会長じゃないぞ」
「そんなの関係ない。常盤は常盤だ。これからも生徒会として一緒に頑張ろう」
それに舞奈ちゃんもね。そう言って一色君は私に向かってウインクした。
やっぱり、一色君の笑顔はいつ見てもキラキラしてるな。
「なーに、一色のこと見ているんだよ」
「常盤君がずっと突っ伏しているからでしょ」
もしも一色君が負けてもこんなに不貞腐れたりしてない。
常盤君のこういうところ、私がしっかり支えていかないと。
歴史上の悪女は男にびしばし言ってきてたもんね。
「ほら、しゃきっとしなさい、しゃきっと! 学校を良くするために頑張るんでしょ」
しぶしぶ常盤君が顔を上げる。
選挙に負けたって私たちが生徒会を離れるわけじゃない。
一色君が生徒会長になった新しい生徒会で、この学校を良くしていくんだ。
「常盤君が会長じゃなくても私がそばにいるよ。だから一緒に頑張ろう」
常盤君にしか聞こえないこうにこっそり耳打ちする。
「わかってるよ。ありがとうな、舞奈」
ちょっと不意打ちで名前呼ぶのやめてよ。
ドキドキしちゃうじゃない!!!
「よろしくね、将貴」
将貴君の顔が赤くなる。
よし、仕返し大成功。
これから私と将貴君の新しい物語が始まる。
生徒会も恋も頑張っちゃうもんね!
自分の気持ちに素直になって、真っ直ぐに頑張るんだ。
だから新しい私になっても。
悪女、チャレンジします!
選挙の日の放課後、生徒会室に生徒会メンバーが集まった。
選挙に勝った新しい生徒会役員も集まっている。
正式な新しい生徒会の発足は来月から。今日は選挙のお疲れ様会だ。
部屋の雰囲気は明るくにぎやか。
新しい生徒会長が決まった祝いの場所だからね。
それなのに……。
常盤君はあからさまにぶすっとした顔で机に突っ伏している。
「ちょっと常盤君。態度悪いよ」
「そりゃ態度も悪くなるだろ。俺は選挙に負けたんだから」
開票の結果、次の生徒会長は一色君に決まった。
得票率は五十五パーセント。
かなりの接戦だ。
それでも常盤君が負けたことには変わりない。それがかなり不満みたい。
「だからってその態度はないでしょ」
全く大人気ないんだから。
常盤君ってたまにこういう子どもみたいなところがあるよね。
それはそれで可愛いんだけど。たまにはしっかりしてほしいよ。
「一色、お疲れ様。今回の選挙は見事な戦いだった。これからの生徒会を頼むぞ」
諏訪会長が迫力ある声で一色君に声をかける。
「常盤もお疲れさま」
一色君に続いて諏訪先輩は常盤君にも声をかけた。
「選挙が校内の注目を集めたのは常盤と一色が見事な戦いをしたからだ。本当二人ともよく頑張ったな」
諏訪先輩に言われても常盤君はむすっとした表情を変えない。
気持ちはわかるけど切り替えていかないと。
「もう、いつまでそんな顔してるのさ」
「常盤はいいな、こんなに素敵なパートナーがいて」
諏訪先輩の一言にドキッとする。
「私はそんな……」
「あれ、二人はパートナーじゃなかったのか?」
諏訪先輩が意味深な笑みを浮かべる。
そうだけど、そうじゃないの!
生徒会のメンバーには付き合っていることまだ言ってないのに。
「常盤、いい勝負だったな」
一色君が常盤君に手を差し伸べる。
「これからも僕と一緒に頑張ってほしい」
「俺はもう副会長じゃないぞ」
「そんなの関係ない。常盤は常盤だ。これからも生徒会として一緒に頑張ろう」
それに舞奈ちゃんもね。そう言って一色君は私に向かってウインクした。
やっぱり、一色君の笑顔はいつ見てもキラキラしてるな。
「なーに、一色のこと見ているんだよ」
「常盤君がずっと突っ伏しているからでしょ」
もしも一色君が負けてもこんなに不貞腐れたりしてない。
常盤君のこういうところ、私がしっかり支えていかないと。
歴史上の悪女は男にびしばし言ってきてたもんね。
「ほら、しゃきっとしなさい、しゃきっと! 学校を良くするために頑張るんでしょ」
しぶしぶ常盤君が顔を上げる。
選挙に負けたって私たちが生徒会を離れるわけじゃない。
一色君が生徒会長になった新しい生徒会で、この学校を良くしていくんだ。
「常盤君が会長じゃなくても私がそばにいるよ。だから一緒に頑張ろう」
常盤君にしか聞こえないこうにこっそり耳打ちする。
「わかってるよ。ありがとうな、舞奈」
ちょっと不意打ちで名前呼ぶのやめてよ。
ドキドキしちゃうじゃない!!!
「よろしくね、将貴」
将貴君の顔が赤くなる。
よし、仕返し大成功。
これから私と将貴君の新しい物語が始まる。
生徒会も恋も頑張っちゃうもんね!
自分の気持ちに素直になって、真っ直ぐに頑張るんだ。
だから新しい私になっても。
悪女、チャレンジします!


