次の日の放課後。定例会があるから生徒会室に向かった。
諏訪会長が見守る中、みんな一生懸命仕事をしている。
常盤君が隣でカタカタとパソコンを叩いている。
昨日話してから一度も常盤君とは話していない。
それどころかこっちを見ようとさえしない。
「平井さん、調子はどうだい?」
後ろから諏訪会長の声が聞こえてビクッとする。
常盤君のことばかり考えて仕事してないのがバレたのかも。
「すいません、ちょっと考え事をしていて」
「校内新聞がすごく評判がいいのは聞いているよ。平日も残って記事を書いたりすることもあるそうじゃないか」
「週に一度は更新したいですから」
「いつも頑張っているんだ。たまには早く帰ってもいいんだぞ」
本当はまだ生徒会室に残っていたい。
話せなくても常盤君の隣にいたい。
だけど、常盤君は一心不乱にパソコンと向き合っている。
「それじゃあ、お言葉に甘えて今日は帰ります」
ガラッとドアを開けて生徒会室を出る。
あーあ、来週の校内新聞、どうしようかな。
本当は常盤君のボランティアのことを書こうと思っていた。
けど、常盤君からパートナーじゃないって言われちゃったし。
「舞奈ちゃん!」
後ろから名前を呼ばれた気がした。
振り返ると一色君が走ってきた。
「どうしたの? まだ生徒会の仕事中でしょ」
「どうしても、舞奈ちゃんに言いたいことがあって」
私に言いたいことって何だろう?
「あのさ、今度の生徒会の選挙なんだけど。僕の応援をお願いできないかな」
一瞬、自分の耳を疑った。
「え、私が一色君の応援をするの?」
私は今までずっと常盤君の応援をしてたんだよ。
常盤君が選挙に勝てるように、アピールできるようにずっと考えて頑張ってきた。
そんな私のことを一色君が誘っている?
「本当は舞奈ちゃんが生徒会に入った時から頼もうと思ってたんだけど。常盤と仲が良さそうだから言えなくて」
いやいや、一色君に限って言いにくいことなんてあるはずないでしょ。
それに私を味方にしたって一色君にメリットがあるとは思えないし。
「舞奈ちゃんは生徒会のことや学校のことがよく見える。だから舞奈ちゃんの力を借りてこの学校をより良くしたいんだ」
急にそんなこと言われたって信じられないよ。
この学校のことが好きで生徒会に入ったんじゃない。
ただ常盤君の近くにいたくて、悪女がタイプって言うから悪女の真似をしただけ。
「常盤のことを裏切って欲しいとかそう言うことじゃない。ただ舞奈ちゃんと協力すればより良い生徒会になる気がしたんだ」
一色君からこんなに熱烈に言われてもそれが自分のことだと思えない。
「だから選挙が本格的に始まる前に言いたかった。僕のそばにいてほしい」
一色君のキラキラした瞳に見つめられながらそんなこと言われたら。
ドキドキしちゃうに決まっているじゃない!
「じゃあ僕は戻るよ。これを舞奈ちゃんに言いたかっただけなんだ」
すぐに生徒会室に向けて体を向きを整える。
「返事はすぐにとは言わないよ。だからゆっくり考えてみて」
最後にそれを言い残して一色君がいなくなった。
あまりにも現実味がなさすぎてびっくりしちゃう。
私はただのミーハーなだけなのに。
常盤君のことは好きだし、生徒会長になるのを応援してあげたい。
でも、パートナーとは呼べないって言われちゃってる。
それに一色君が生徒会長になってもいい学校にはなると思う。
私、どうすればいいんだろう。
ガチャっと何か物が落ちたような音が聞こえた。
今の話、聞かれてかな?
桃井さんの走る後ろ姿がちらっと見えた。
諏訪会長が見守る中、みんな一生懸命仕事をしている。
常盤君が隣でカタカタとパソコンを叩いている。
昨日話してから一度も常盤君とは話していない。
それどころかこっちを見ようとさえしない。
「平井さん、調子はどうだい?」
後ろから諏訪会長の声が聞こえてビクッとする。
常盤君のことばかり考えて仕事してないのがバレたのかも。
「すいません、ちょっと考え事をしていて」
「校内新聞がすごく評判がいいのは聞いているよ。平日も残って記事を書いたりすることもあるそうじゃないか」
「週に一度は更新したいですから」
「いつも頑張っているんだ。たまには早く帰ってもいいんだぞ」
本当はまだ生徒会室に残っていたい。
話せなくても常盤君の隣にいたい。
だけど、常盤君は一心不乱にパソコンと向き合っている。
「それじゃあ、お言葉に甘えて今日は帰ります」
ガラッとドアを開けて生徒会室を出る。
あーあ、来週の校内新聞、どうしようかな。
本当は常盤君のボランティアのことを書こうと思っていた。
けど、常盤君からパートナーじゃないって言われちゃったし。
「舞奈ちゃん!」
後ろから名前を呼ばれた気がした。
振り返ると一色君が走ってきた。
「どうしたの? まだ生徒会の仕事中でしょ」
「どうしても、舞奈ちゃんに言いたいことがあって」
私に言いたいことって何だろう?
「あのさ、今度の生徒会の選挙なんだけど。僕の応援をお願いできないかな」
一瞬、自分の耳を疑った。
「え、私が一色君の応援をするの?」
私は今までずっと常盤君の応援をしてたんだよ。
常盤君が選挙に勝てるように、アピールできるようにずっと考えて頑張ってきた。
そんな私のことを一色君が誘っている?
「本当は舞奈ちゃんが生徒会に入った時から頼もうと思ってたんだけど。常盤と仲が良さそうだから言えなくて」
いやいや、一色君に限って言いにくいことなんてあるはずないでしょ。
それに私を味方にしたって一色君にメリットがあるとは思えないし。
「舞奈ちゃんは生徒会のことや学校のことがよく見える。だから舞奈ちゃんの力を借りてこの学校をより良くしたいんだ」
急にそんなこと言われたって信じられないよ。
この学校のことが好きで生徒会に入ったんじゃない。
ただ常盤君の近くにいたくて、悪女がタイプって言うから悪女の真似をしただけ。
「常盤のことを裏切って欲しいとかそう言うことじゃない。ただ舞奈ちゃんと協力すればより良い生徒会になる気がしたんだ」
一色君からこんなに熱烈に言われてもそれが自分のことだと思えない。
「だから選挙が本格的に始まる前に言いたかった。僕のそばにいてほしい」
一色君のキラキラした瞳に見つめられながらそんなこと言われたら。
ドキドキしちゃうに決まっているじゃない!
「じゃあ僕は戻るよ。これを舞奈ちゃんに言いたかっただけなんだ」
すぐに生徒会室に向けて体を向きを整える。
「返事はすぐにとは言わないよ。だからゆっくり考えてみて」
最後にそれを言い残して一色君がいなくなった。
あまりにも現実味がなさすぎてびっくりしちゃう。
私はただのミーハーなだけなのに。
常盤君のことは好きだし、生徒会長になるのを応援してあげたい。
でも、パートナーとは呼べないって言われちゃってる。
それに一色君が生徒会長になってもいい学校にはなると思う。
私、どうすればいいんだろう。
ガチャっと何か物が落ちたような音が聞こえた。
今の話、聞かれてかな?
桃井さんの走る後ろ姿がちらっと見えた。


