放課後、いつもの三人で合流する。
まずは聞き込み調査だ。
中間報告までにどれだけ情報が集められるかが勝負だ。
「花壇を壊してメリットがある人か」
昼休みの咲良と姫華と話したことを二人にも伝えてみた。
常盤君も同じところに注目した。
「それがわかれば一気に犯人の範囲が狭まるんだが」
「誰にメリットがあるかわからないけど俺たちにはデメリットだよな」
「俺たちにデメリット?」
「だってそうだろ。特別枠ってだけで犯人扱いだぜ」
学校で事件があれば生徒会が動き出す。
私たちにはデメリットだ。
もし、犯人の目的がこれだとしたら。
どうして犯人はそんなことを考えたのだろう。
「潤、いいこと言うじゃねーか」
「塩田君、ナイスだよ」
塩田君はへへっといつものように陽気に笑っている。
だけど、むしゃくしゃしてるっていうのも気になるんだよな。
花壇の荒らされようを見たら、犯人が何かに怒っているような気がして思えない。
犯人は花壇に怒ることでもあったのかな?
生徒会にデメリットを与えて、花壇にむしゃくしゃする。
そんな人、学校の中にいるかな……。
「もう一回、聞き込みだな」
荒らされた花壇は玄関を曲がったところにある。
ちょうど人目につきにくい場所だから目撃情報もほとんどない。
昼休みに校長先生が見た時はまだ花壇が荒らされていなかった。
おそらく犯行があったのは放課後。
生徒の出入りや自由行動も多いからなかなか特定するのは難しい。
もう一度、三人で花壇に向かう。
花壇のそばは相談室だ。
普段、ここに人はいない。窓から誰かが覗いていたとも考えにくい。
「やっぱり目撃者はいないか」
花壇から移動するとすれ違うように桃井さんたちとばったり鉢合わせした。
「へえ、あんたたちもここにきたんだ。犯人は現場に戻るって言うもんね」
「お前たちだってここにいるだろ」
「う、うるさい!」
機嫌悪そうに桃井さんたちが花壇に向かって歩いていく。
桃井さんたちってこういう仕事はあまり好きじゃないと思ってたけど。
今週の定例会も一回も参加してないし。
ま、生徒会のメンバーだから当然か。
一度、校内に戻ったはいいけど次の行き先が決まらない。
はーあ、これからどうしよう。
水曜日に貼った、校内新聞がパッと目についた。
「私たちの新聞、結構目立つところに貼ってあるね」
玄関で靴を履き替えれば必ずと言っていいほど目につきやすい。
写真も大きく載せたから遠くにいても常盤君だとわかる。
新聞に載っている常盤君もかっこいいな。
その時ビカっと電流のような衝撃が体を走り抜ける。
荒らされた花壇。
私たちにデメリット。
常盤君の記事が書かれた校内新聞。
バラバラだった点と点がつながっていく。
ま、まさか、ね。
そんなのあり得るわけない。
でも、一度浮かび上がった予感が頭から離れない。
「平井さん、どうしたの? 将貴の写真ずっと見つめて」
「あ、あのさ。もしかしたら何だけど……」
思い切って、浮かび上がった予感を二人に話してみる。
「多分、違うよね」
「そうだよ、きっとそうに違いない」
思った以上に塩田君が食いついてくる。
「そ、そうかな」
「今言えるのは可能性があるってことだな」
深呼吸をすると常盤君が冷静に呟いた。
「とにかく犯人の証拠が必要だ」
「もう一回、花壇に戻るか?」
「いや、他に行きたいところがある」
そう言って常盤君が階段の方を見た。
「上の階から下が見えたとすればどうだろう?」
まずは聞き込み調査だ。
中間報告までにどれだけ情報が集められるかが勝負だ。
「花壇を壊してメリットがある人か」
昼休みの咲良と姫華と話したことを二人にも伝えてみた。
常盤君も同じところに注目した。
「それがわかれば一気に犯人の範囲が狭まるんだが」
「誰にメリットがあるかわからないけど俺たちにはデメリットだよな」
「俺たちにデメリット?」
「だってそうだろ。特別枠ってだけで犯人扱いだぜ」
学校で事件があれば生徒会が動き出す。
私たちにはデメリットだ。
もし、犯人の目的がこれだとしたら。
どうして犯人はそんなことを考えたのだろう。
「潤、いいこと言うじゃねーか」
「塩田君、ナイスだよ」
塩田君はへへっといつものように陽気に笑っている。
だけど、むしゃくしゃしてるっていうのも気になるんだよな。
花壇の荒らされようを見たら、犯人が何かに怒っているような気がして思えない。
犯人は花壇に怒ることでもあったのかな?
生徒会にデメリットを与えて、花壇にむしゃくしゃする。
そんな人、学校の中にいるかな……。
「もう一回、聞き込みだな」
荒らされた花壇は玄関を曲がったところにある。
ちょうど人目につきにくい場所だから目撃情報もほとんどない。
昼休みに校長先生が見た時はまだ花壇が荒らされていなかった。
おそらく犯行があったのは放課後。
生徒の出入りや自由行動も多いからなかなか特定するのは難しい。
もう一度、三人で花壇に向かう。
花壇のそばは相談室だ。
普段、ここに人はいない。窓から誰かが覗いていたとも考えにくい。
「やっぱり目撃者はいないか」
花壇から移動するとすれ違うように桃井さんたちとばったり鉢合わせした。
「へえ、あんたたちもここにきたんだ。犯人は現場に戻るって言うもんね」
「お前たちだってここにいるだろ」
「う、うるさい!」
機嫌悪そうに桃井さんたちが花壇に向かって歩いていく。
桃井さんたちってこういう仕事はあまり好きじゃないと思ってたけど。
今週の定例会も一回も参加してないし。
ま、生徒会のメンバーだから当然か。
一度、校内に戻ったはいいけど次の行き先が決まらない。
はーあ、これからどうしよう。
水曜日に貼った、校内新聞がパッと目についた。
「私たちの新聞、結構目立つところに貼ってあるね」
玄関で靴を履き替えれば必ずと言っていいほど目につきやすい。
写真も大きく載せたから遠くにいても常盤君だとわかる。
新聞に載っている常盤君もかっこいいな。
その時ビカっと電流のような衝撃が体を走り抜ける。
荒らされた花壇。
私たちにデメリット。
常盤君の記事が書かれた校内新聞。
バラバラだった点と点がつながっていく。
ま、まさか、ね。
そんなのあり得るわけない。
でも、一度浮かび上がった予感が頭から離れない。
「平井さん、どうしたの? 将貴の写真ずっと見つめて」
「あ、あのさ。もしかしたら何だけど……」
思い切って、浮かび上がった予感を二人に話してみる。
「多分、違うよね」
「そうだよ、きっとそうに違いない」
思った以上に塩田君が食いついてくる。
「そ、そうかな」
「今言えるのは可能性があるってことだな」
深呼吸をすると常盤君が冷静に呟いた。
「とにかく犯人の証拠が必要だ」
「もう一回、花壇に戻るか?」
「いや、他に行きたいところがある」
そう言って常盤君が階段の方を見た。
「上の階から下が見えたとすればどうだろう?」


