次の日の昼休み。生徒会の臨時定例会が開かれた。
議題はもちろん荒らされた花壇についてだ。
調査の結果、荒らされたのはおそらく放課後だろうということだった。
「花壇は僕たち生徒会が管理しているものだ。それにこの学校のシンボルでもある」
一色君の声も今日はいつもより重い。
「三年生が帰ってくる前に、今日中に事件を解決したい」
「それは同感だ」
常盤君がふてくされたような声を出す。
「なんでお前が仕切っているのかはわからねーけどな」
「今はそれどころじゃないでしょ」
そう言いながら、心の中でこれはある意味チャンスだと思った。
この事件を解決すれば会長からの信頼が高まる。
常盤君がこれを解決したとなれば支持率も一気に上がる。
「とにかく情報を集めて生徒会としてこの事件を解決したい」
「花壇を壊すなんて許せねーからな」
常盤君のイライラがストレートに伝わってくる。
放課後に花に水をあげるところを何度か見たことがある。
その姿にキュンとしちゃったんだ。
常盤君にとっても大事な花壇だもんね。
「四時半に一度ここに集まって報告するってことでいいか」
「うん、そうだね。そうしよう」
文句を言いながらも常盤君と一色君の息がぴったりだ。
二人とも今は事件解決のために同じ方向を向いている。
「もしかして、常盤たちが自分達でやったんじゃないの?」
桃井さんが意地の悪い声を出す。
「はあ、どういうことだよ?」
「イメージアップのために自作自演したんじゃないかって言っているの」
「そんなことするわけないだろ」
ガタンと常盤君が目の前の机を思いっきり叩く。
「怖い怖い。特別枠はすぐに怒って暴力する」
「いい加減にしろよ。勝手なことベラベラ言いやがって」
桃井さんの言葉に私もすごくムカついた。
常盤君や私たちがそんなことするわけないじゃない!
言いがかりにもほどがあるよ。
「ゴミ拾いだって、特別枠の生徒が捨ててるって噂もあるじゃない?」
桃井さんはなんでもかんでも理由をつけて特別枠を悪くしようとする。
特別枠の生徒が頑張ることってそんなに面白くないことなの?
「桃井さん、根拠がないのにそんなこと言うのはよくないよ」
一色君が仲裁に入る。
「今は情報が少なすぎる。まずは情報を集めてそれから考えよう」
これで昼休みの会議は終わった。
「舞奈、お疲れ」
教室に戻ると咲良と姫華が心配そうな顔で迎え入れてくれた。
「学校の花壇を壊すなんて許せないよね。ひどいことを考える人もいるもんだ」
咲良が一緒になって怒ってくれている。
それだけで心が少し軽くなる。
「でも、なんで花壇なんて壊したんでしょう? 花壇を壊しても誰もメリットなんてないのに」
姫華が不思議そうに呟いた。
言われてみたらそうだ。花壇が壊れたからって誰かが損をするわけじゃない。
「んー、なんかむしゃくしゃしてたのかな?」
「それで花壇を壊したのなら、今頃、犯人もびっくりしてるかもしれませんね」
むしゃくしゃしてるからで花壇を壊すとは思えないけど。
でも、そこに何かヒントがある気がする。
というか、花壇を壊されて私がむしゃくしゃしているんだけどね!
もう少しで何かわかりそうな気がするんだけど。
パニックとイライラで私の頭が爆発しちゃいそうだよ。
ちらっと常盤君を見る。
本も読まずに下を向いて考え事をしているみたい。
その横顔は怒りとともに切なく見えた。
一緒に、この事件を解決しよう。
そして私たちが犯人じゃないってことを証明しよう。
私の思いが通じたのか、常盤君が私の方を向いた。
騒がしい教室の中で目が合った一瞬に、またドキドキしてしまった。
議題はもちろん荒らされた花壇についてだ。
調査の結果、荒らされたのはおそらく放課後だろうということだった。
「花壇は僕たち生徒会が管理しているものだ。それにこの学校のシンボルでもある」
一色君の声も今日はいつもより重い。
「三年生が帰ってくる前に、今日中に事件を解決したい」
「それは同感だ」
常盤君がふてくされたような声を出す。
「なんでお前が仕切っているのかはわからねーけどな」
「今はそれどころじゃないでしょ」
そう言いながら、心の中でこれはある意味チャンスだと思った。
この事件を解決すれば会長からの信頼が高まる。
常盤君がこれを解決したとなれば支持率も一気に上がる。
「とにかく情報を集めて生徒会としてこの事件を解決したい」
「花壇を壊すなんて許せねーからな」
常盤君のイライラがストレートに伝わってくる。
放課後に花に水をあげるところを何度か見たことがある。
その姿にキュンとしちゃったんだ。
常盤君にとっても大事な花壇だもんね。
「四時半に一度ここに集まって報告するってことでいいか」
「うん、そうだね。そうしよう」
文句を言いながらも常盤君と一色君の息がぴったりだ。
二人とも今は事件解決のために同じ方向を向いている。
「もしかして、常盤たちが自分達でやったんじゃないの?」
桃井さんが意地の悪い声を出す。
「はあ、どういうことだよ?」
「イメージアップのために自作自演したんじゃないかって言っているの」
「そんなことするわけないだろ」
ガタンと常盤君が目の前の机を思いっきり叩く。
「怖い怖い。特別枠はすぐに怒って暴力する」
「いい加減にしろよ。勝手なことベラベラ言いやがって」
桃井さんの言葉に私もすごくムカついた。
常盤君や私たちがそんなことするわけないじゃない!
言いがかりにもほどがあるよ。
「ゴミ拾いだって、特別枠の生徒が捨ててるって噂もあるじゃない?」
桃井さんはなんでもかんでも理由をつけて特別枠を悪くしようとする。
特別枠の生徒が頑張ることってそんなに面白くないことなの?
「桃井さん、根拠がないのにそんなこと言うのはよくないよ」
一色君が仲裁に入る。
「今は情報が少なすぎる。まずは情報を集めてそれから考えよう」
これで昼休みの会議は終わった。
「舞奈、お疲れ」
教室に戻ると咲良と姫華が心配そうな顔で迎え入れてくれた。
「学校の花壇を壊すなんて許せないよね。ひどいことを考える人もいるもんだ」
咲良が一緒になって怒ってくれている。
それだけで心が少し軽くなる。
「でも、なんで花壇なんて壊したんでしょう? 花壇を壊しても誰もメリットなんてないのに」
姫華が不思議そうに呟いた。
言われてみたらそうだ。花壇が壊れたからって誰かが損をするわけじゃない。
「んー、なんかむしゃくしゃしてたのかな?」
「それで花壇を壊したのなら、今頃、犯人もびっくりしてるかもしれませんね」
むしゃくしゃしてるからで花壇を壊すとは思えないけど。
でも、そこに何かヒントがある気がする。
というか、花壇を壊されて私がむしゃくしゃしているんだけどね!
もう少しで何かわかりそうな気がするんだけど。
パニックとイライラで私の頭が爆発しちゃいそうだよ。
ちらっと常盤君を見る。
本も読まずに下を向いて考え事をしているみたい。
その横顔は怒りとともに切なく見えた。
一緒に、この事件を解決しよう。
そして私たちが犯人じゃないってことを証明しよう。
私の思いが通じたのか、常盤君が私の方を向いた。
騒がしい教室の中で目が合った一瞬に、またドキドキしてしまった。


