悪女、チャレンジします!

その日の定例会はスムーズに進んだ。

大きな学校行事も控えていないから、今は特別忙しいわけじゃない。

諏訪会長が自分の席に戻った。

常盤君と目を合わせる。よし、今がチャンスだ。

「あの、諏訪会長」

常盤君と一緒に広報活動の企画案を持って行く。

「こういうの考えてみたんですけど、どうでしょうか」


諏訪会長が真剣な顔で企画案に目を通している。

うわー。この時間、すっごく緊張する!

「うん、これはいい。広報活動までなかなか手が回らなくて困っていたんだ。すぐにでも取り掛かってくれ」

「ありがとうございます」

諏訪会長がニコッと笑って承認印を押した。

「それにしてもよくこのアイデアを思いついたな」

「平井がこの案を考えたんです。生徒会のことを学校のみんなにもっと知って欲しいって」

もう、急に私の名前出さないでよ!

「君は今年の春から入ってきたよね」
「は、はい。平井舞奈です。常盤君と同じクラスです」

「荷物運びを手伝ってもくれたよね。常盤と葉山先生のクラスの子か」

うわー、私のことしっかり覚えててくれている。

さすがは生徒会長。

「そうか。平井さんが生徒会に入ってくれて助かったよ」

諏訪会長に話しかけられるのやっぱりまだ慣れないや。

これでまずは最初の関門をクリアだ。

さてと、あとはどんな記事を書くかだ。

実はまだ全然決まってないんだよね……。

記事を書くのも私の仕事。

これから、忙しくなりそうだな。