ジョディの一年分の給料を支払っても手に入らないような高い調度品がこの部屋にはたくさんある。莫大な地と富と地位を持つ伯爵、気品に満ちた夫人、美しい娘、この部屋には全て揃っているように見える。
(一人足りない……)
ジョディは拳を握り締める。そして、辺りをわざとらしく見回しながらアーサーたちに問いかける。
「伯爵、夫人、この家にはもう一人娘さんがいらっしゃいますよね。レジーナ様より二歳年上のフローレンス様が」
その名前を出した瞬間、大広間の空気が凍り付いた。アーサーが拳を震わせながら、「あんな出来損ないに「様」などつける必要はない!!」と怒りを滲ませる。ジョディの眉がぴくりと動いた。
「そうよ!あんな小汚い娘が怪盗に狙われるわけがないわ!」
「あんなのが姉なんて信じられないわ〜。ねぇお母様、あの女って橋の下で拾ってきたんでしょ?」
口々にアーサーたちは長女であるフローレンスを罵る。フローレンスは魔法が使えることが当たり前であるジュニパー国で魔法が使えない存在である。何故ジュニパー国の人間である彼女が魔法を使えないのか、研究はされているらしいが原因は未だにわかっていない。
(一人足りない……)
ジョディは拳を握り締める。そして、辺りをわざとらしく見回しながらアーサーたちに問いかける。
「伯爵、夫人、この家にはもう一人娘さんがいらっしゃいますよね。レジーナ様より二歳年上のフローレンス様が」
その名前を出した瞬間、大広間の空気が凍り付いた。アーサーが拳を震わせながら、「あんな出来損ないに「様」などつける必要はない!!」と怒りを滲ませる。ジョディの眉がぴくりと動いた。
「そうよ!あんな小汚い娘が怪盗に狙われるわけがないわ!」
「あんなのが姉なんて信じられないわ〜。ねぇお母様、あの女って橋の下で拾ってきたんでしょ?」
口々にアーサーたちは長女であるフローレンスを罵る。フローレンスは魔法が使えることが当たり前であるジュニパー国で魔法が使えない存在である。何故ジュニパー国の人間である彼女が魔法を使えないのか、研究はされているらしいが原因は未だにわかっていない。

