「泣くなよ…優衣に先に言われた俺が泣きたいくらいだぜ?」
そう言いながら、頬を伝うあたしの涙を拓真は拭ってくれた。
「これからもあたし、拓真の傍にいてもいいの?離れなくていいの?」
おそるおそる聞く。
「当たり前だろ。いてくれなきゃ困る」
そう言ってポンとあたしの頭を叩いた。
ああ、この温もり。
あたしの大好きな温もり。
良かった、ほんとに良かった。
これからも大好きな拓真の傍にいることができる。
嬉しすぎて嬉しすぎて。
「優衣、渡したい物があるんだけど」
拓真が言った。
「なに?」
「目、閉じて?」
あたしは言われるままにゆっくりと目を閉じた。


