「なんで先に言うんだよ…バカ」
悔しそうで、でもなんだか照れているような表情の彼。
「え?」
あたしはどうして拓真がそんな表情をしているのか分からなかった。
「なんで俺がここに連れて来たか分かるか?」
そう言われて、あたしは首を横に振った。
「優衣に、大切な事を伝えるため」
そう言って拓真はうずくまるあたしの姿勢を元に戻して、自分に向けさした。
拓真と目線が同じ。
恥ずかしくって、目をそらしたくなる。
だけど、拓真の目は真剣で。
そらすことできなかった。
「優衣、俺もお前が好き。ずっと大好きだった。
俺にはずっと優衣しか映ってなかった」
拓真は、確かにそう言った。
これは…現実?夢?
あたしは今、最高に嬉しい言葉を言われました。
ねぇ、信じていいんだよね??
夢なんかじゃ、ないよね?
一瞬止まっていた涙は再び溢れ出した。


