ふと見上げると、沢山の星が夜空に散らばっていた。
昔もよく一緒に星を見たっけ。
「綺麗…」
今夜は一段と綺麗に見えて、思わず呟いた。
「そうだな」
そう言って拓真もまた空を見上げた。
夜空を見上げる拓真の横顔を見て、思った。
やっぱり自分には、拓真がいないと無理だって。
他の人の隣になんて行ってほしくない。
もうやだ、幼なじみなんて。
幼なじみじゃなくって、一人の女の子として見てほしいよ拓真。
大好きな人が自分と別の人とこうして星を一緒に見上げたりするなんて、考えたくもなかった。
考えたら辛い。
拓真を独り占めしておきたい。
抑えていた感情が、一気に溢れてきて泣いてしまいそうになった。
拓真、やっぱりあたしはあなたが好き。
お願いだから、どこにも行かないでーー


