吐く息は、白い。
寒い、と思いながらちょっと歩いた先にあったのは公園。
遊具が少しだけある小さな公園。
昔、拓真とよく遊んだっけ。
この小さな公園には、大切な思い出がいっぱい詰まっている。
懐かしいな。
二人で公園のベンチに座った。
ひんやりとするベンチ。
「久しぶりだな、ここに来るの」
拓真が口を開いた。
2人用のベンチだから当然距離は縮まってて。
横を向けばすぐそこにある拓真の顔。
自分のほっぺたが、身体が、熱くなっていくのを感じた。
電灯の光に照らされる中、自分の火照った顔を見られないように下を向く。
そして、精一杯の声で
「そうだね」
って言った。


