(はあ…こんなことになるなんて思わなかったわね。)
リン子がベットに横になろうとした時、ドアがノックされた。
それからキーっと音を立ててドアが開くと、見知らぬ女性がいた。
髪の毛は水色で、小綺麗な格好だった。
「リンルンちゃん、入ってもいいかしら。」
リン子はすぐにお母さんだと察した。
お母さんに頷いてみせると、お母さんはすぐ側まできた。
「お話があるの。」
リン子は何だろうかと思った。
「アナタ、今度の舞踏会に出ない？」
お母さんの問いに思わずリン子は噴き出しそうだった。
「もう応募してるんだけど…」
いやしてるんかい、とリン子は心でツッコんだ。
「じゃあね。」
そう言うとお母さんは側を離れ、部屋を出ていった。
リン子は自分の名前、リンルン・ブルーという名前を聞いたことがあった。
思い出そうとしていると、ぱっと答えが浮かんだ。
(そうだ、あたしがやっていた恋愛シミュレーションゲームのキャラだわ！)
しかも…悪役の。
(たしか、ゲーム通りだとあたしはバットエンドを迎える…)
そんなのは嫌だわ、とリン子は首を横に振った。
(なんとしてもそれは避けたいわね。となると…)
リン子の頭にゲームのヒロイン・もも・ピーチが思いうかぶ。
「よし。」リン子は一人でにつぶやくと、ベットから起き上がった。
テーブルにはランタンと紙、ペンしかなかった。
リン子はペンを握ると、紙にスラスラと文字を書いていった。

書きおえると、ペンをテーブルに置いた。