〇学校・教室横のベランダ(授業の合間の休み時間)
クラスメイトの話し声で賑やかな教室を背に、薫風の吹くベランダに立ち、校庭の先にあるすっかり緑色になった桜並木を眺めながら伸びをする透衣。
教室から出てきた吹雪が後ろから、上に伸びている透衣の手を掴み、下ろしながら抱き着き、頭に顎を乗せる。
吹雪「透衣チャージ」
透衣「吹雪、好きだよね、これ。幼稚園の時からだもん」
透衣がにこにこした表情で吹雪を見上げると、吹雪の真っ直ぐな瞳と目が合う。
吹雪「…好きだね、ずっと」
透衣「休み時間のお決まりのルーティンじゃん」
楽しそうに笑い屈託のない笑顔を吹雪に向ける透衣。
チャイムが鳴る。
〇学校・教室(チャイム~授業開始)
くっついたままの吹雪を連れて教室に入る透衣。
くっついたままの透衣と吹雪を見て、透衣を羨ましがるクラスの女子たち。
透衣「吹雪?授業始まっちゃうよ」
先生が来る前に座らなければと少し焦る透衣。
透衣から離れて透衣の隣である自分の席に座る吹雪。
椅子に横向きに座った吹雪が、ベランダ側の一番後ろにある自分の席に座ろうとする透衣の手を掴む。
透衣「ちょ、」
吹雪「いいじゃん。先生からは見えない」
戸惑う透衣と真剣な吹雪が数秒間見つめ合う。
ガラガラと教室のドアが開き、先生が入ってくる。
仕方なく手を繋いだまま椅子に座る透衣。
先生「日直、号令かけろー」
透衣(吹雪って全然表情変わらないよなぁ…何考えてるのかな)
吹雪の方を見ながら吹雪の行動を不思議に思う透衣。
〇学校・食堂(昼休み)
多くの生徒で賑う中、サンドイッチ定食を食べる透衣。
友人の小麦が、向かいに座ってツナマヨおにぎりを頬張っている。
小麦「ねぇ、透衣と黒川って付き合ってんの?」
もぐもぐしながら透衣を見る小麦。
透衣「へぇ?!」
唐突な問いに驚いて思わず素っ頓狂な声を出す透衣。
透衣「な、何で?」
小麦「だって、2人見てたら恋人そのものだよ?さっきの授業中、手繋いでたし」
透衣「いや、あれは、なんていうか……一緒にいる時間が長いから距離がちょっと近めなだけだよ」
小麦「そうなの?」
食い気味でこくこく頷く透衣。
小麦「あんなに愛情表現されたら、私だったら好きになっちゃうけどなー」
独り言のように呟いて再びツナマヨおにぎりを頬張る小麦。
透衣(愛情表現、か…)
〇学校・中庭(昼休み)
青空の下、木製のベンチに座り、弁当を食べている吹雪。
友人の光が隣に座ってあんぱんを食べている。
光「今日も伝わらなかったかー。もうさ、はっきり言えばいいじゃん」
呆れたようにあんぱんをかじる光。
吹雪「言ってる。『付き合って』って」
光「そしたら白瀬さんは何て?」
吹雪「『いいよ、どこに?』って。『好き』も『付き合って』も伝えたい意味で受け取ってもらえたことない」
まっすぐ前を見て唐揚げを頬張る吹雪。
吹雪の方を見て目をぱちくりさせたあと、小さくため息をつく光。
光「吹雪の冷静なところ、俺好きだよ。でもさ、言葉の熱が伝わりにくいんだよ、きっと」
吹雪「言葉の熱って何」
光「言葉に込められた想いの温度だよ。吹雪は声のトーンとか表情がいつも一定だから、告白の言葉も常温の日常会話みたいに感じちゃうんだと思う。ほんとはマグマみたいに熱いのにね」
困ったように笑う光。
吹雪「…どうしたら、振り向いてくれるんだろうな」
雲一つない空を見上げて、ぽつりと呟く吹雪。
吹雪の黒髪が風になびく。
クラスメイトの話し声で賑やかな教室を背に、薫風の吹くベランダに立ち、校庭の先にあるすっかり緑色になった桜並木を眺めながら伸びをする透衣。
教室から出てきた吹雪が後ろから、上に伸びている透衣の手を掴み、下ろしながら抱き着き、頭に顎を乗せる。
吹雪「透衣チャージ」
透衣「吹雪、好きだよね、これ。幼稚園の時からだもん」
透衣がにこにこした表情で吹雪を見上げると、吹雪の真っ直ぐな瞳と目が合う。
吹雪「…好きだね、ずっと」
透衣「休み時間のお決まりのルーティンじゃん」
楽しそうに笑い屈託のない笑顔を吹雪に向ける透衣。
チャイムが鳴る。
〇学校・教室(チャイム~授業開始)
くっついたままの吹雪を連れて教室に入る透衣。
くっついたままの透衣と吹雪を見て、透衣を羨ましがるクラスの女子たち。
透衣「吹雪?授業始まっちゃうよ」
先生が来る前に座らなければと少し焦る透衣。
透衣から離れて透衣の隣である自分の席に座る吹雪。
椅子に横向きに座った吹雪が、ベランダ側の一番後ろにある自分の席に座ろうとする透衣の手を掴む。
透衣「ちょ、」
吹雪「いいじゃん。先生からは見えない」
戸惑う透衣と真剣な吹雪が数秒間見つめ合う。
ガラガラと教室のドアが開き、先生が入ってくる。
仕方なく手を繋いだまま椅子に座る透衣。
先生「日直、号令かけろー」
透衣(吹雪って全然表情変わらないよなぁ…何考えてるのかな)
吹雪の方を見ながら吹雪の行動を不思議に思う透衣。
〇学校・食堂(昼休み)
多くの生徒で賑う中、サンドイッチ定食を食べる透衣。
友人の小麦が、向かいに座ってツナマヨおにぎりを頬張っている。
小麦「ねぇ、透衣と黒川って付き合ってんの?」
もぐもぐしながら透衣を見る小麦。
透衣「へぇ?!」
唐突な問いに驚いて思わず素っ頓狂な声を出す透衣。
透衣「な、何で?」
小麦「だって、2人見てたら恋人そのものだよ?さっきの授業中、手繋いでたし」
透衣「いや、あれは、なんていうか……一緒にいる時間が長いから距離がちょっと近めなだけだよ」
小麦「そうなの?」
食い気味でこくこく頷く透衣。
小麦「あんなに愛情表現されたら、私だったら好きになっちゃうけどなー」
独り言のように呟いて再びツナマヨおにぎりを頬張る小麦。
透衣(愛情表現、か…)
〇学校・中庭(昼休み)
青空の下、木製のベンチに座り、弁当を食べている吹雪。
友人の光が隣に座ってあんぱんを食べている。
光「今日も伝わらなかったかー。もうさ、はっきり言えばいいじゃん」
呆れたようにあんぱんをかじる光。
吹雪「言ってる。『付き合って』って」
光「そしたら白瀬さんは何て?」
吹雪「『いいよ、どこに?』って。『好き』も『付き合って』も伝えたい意味で受け取ってもらえたことない」
まっすぐ前を見て唐揚げを頬張る吹雪。
吹雪の方を見て目をぱちくりさせたあと、小さくため息をつく光。
光「吹雪の冷静なところ、俺好きだよ。でもさ、言葉の熱が伝わりにくいんだよ、きっと」
吹雪「言葉の熱って何」
光「言葉に込められた想いの温度だよ。吹雪は声のトーンとか表情がいつも一定だから、告白の言葉も常温の日常会話みたいに感じちゃうんだと思う。ほんとはマグマみたいに熱いのにね」
困ったように笑う光。
吹雪「…どうしたら、振り向いてくれるんだろうな」
雲一つない空を見上げて、ぽつりと呟く吹雪。
吹雪の黒髪が風になびく。



