「村山さん?なんでこんなとこにいんの」



どこからか声が聞こえた気がした。


ここは学校の授業で使われることのない第3音楽室だ。


声なんて聞こえるわけない。


私ってそんなに疲れてる?


ついに幻聴まで聞こえ始めるとかそろそろ危ないかも。


それよりこの重た〜いダンボールを端っこに寄せて早く帰らないと!


私は急いで音楽室の部屋の端っこにダンボールをポイッとおいた。


任務完了かな?



「やっぱり村山さんじゃん。なんで無視すんの」



今度は、はっきりとした声だった。


……おばけ?


どうしよう。


どうしよう、私は必死に考えた。


そして私は怖いという気持ちから逃れるために、スマホを取り出し音楽を流してみた。


さてと、今度こそ帰るかな。


その時だった!


まるで、おかしくて仕方がないというような笑い声が響いたのは。



「まって、まって。普通音楽流し始める?おもろすぎでしょ、村山さん」



びっくりした私は思わず肩を震わせて後ろを振り返った。


そこにいたのは、おばけではなく。


……私のクラスメイトの不登校ギャルだった。