【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 ウィリアムは疲労困憊なのか、黙ったままで熱いお茶を飲み、我慢しがたい眠気を感じたのか、そのままよろよろとした足取りで自室へと向かって行った。

 小説の中ではウィリアムの心を打ちのめしてしまう立太子の儀式については、これで無事に切り抜けることが出来た。

 これからは……いよいよ、エレインの暗殺を防ぐために、本格的に色々と取り組まなくては……。


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 城で女官をしているキャンディスを訪ねて、私は彼女の持ち場へと向かったのだけど、あまりにも失敗が多すぎるということで、城中で持ち場を転々としていた。

 このシュレジエン王国には労働法が存在せず、労働者の権利が守られているという訳でもないのに、未だに辞めさせられていないところが、どこかにくめない竹本さんらしいと言えば竹本さんらしいかもしれない。

 ようやく私が倉庫の整理担当になっている女官キャンディスを見付けられたのは、彼女の仕事終わり直前の夕方のことだった。

 未来の王太子妃である私からの呼び出しがあったからと、このまま直帰しても良いと言われたらしい。