いいえ。鍛えてもいない中年男性が投げられるような物だから、大丈夫かしらね。
……今回の件で、ウィリアムの心に他の王族へ大きな不信感を芽生えさせて、上手く言いくるめて操るつもりだったのよね。
思い通りにいかなくて、本当に残念でした。
「なあ。お前。何、見ているんだ?」
ウィリアムは私が窓辺で私が何かを見ていることを不思議に思っているようだけど、本当に久しぶりに多数の人と会ったこともあり、ぐったりとしてソファに腰掛けて動かなかった。
面白いものを見ているのだけれど、これは別にウィリアムには見せなくても良いものなので、私は無言で肩を竦めてオペラグラスを鞄に仕舞うことにした。
風呂上がりで濡れた黒髪から水がぽたぽたとしたたり、やけに色っぽい風情だった。
「おい……俺の質問に答えずに、帰ってしまうつもりなのか……?」
いかにも気に入らないと言わんばかりのウィリアムへ、私は微笑んで首を横に振った。
「ですから、現状把握なのです。誰かから報告を受けても、それが事実であるかどうかは、私にはわかりませんからね」
……今回の件で、ウィリアムの心に他の王族へ大きな不信感を芽生えさせて、上手く言いくるめて操るつもりだったのよね。
思い通りにいかなくて、本当に残念でした。
「なあ。お前。何、見ているんだ?」
ウィリアムは私が窓辺で私が何かを見ていることを不思議に思っているようだけど、本当に久しぶりに多数の人と会ったこともあり、ぐったりとしてソファに腰掛けて動かなかった。
面白いものを見ているのだけれど、これは別にウィリアムには見せなくても良いものなので、私は無言で肩を竦めてオペラグラスを鞄に仕舞うことにした。
風呂上がりで濡れた黒髪から水がぽたぽたとしたたり、やけに色っぽい風情だった。
「おい……俺の質問に答えずに、帰ってしまうつもりなのか……?」
いかにも気に入らないと言わんばかりのウィリアムへ、私は微笑んで首を横に振った。
「ですから、現状把握なのです。誰かから報告を受けても、それが事実であるかどうかは、私にはわかりませんからね」



