【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 頭の良い彼にはカンニングペーパーなんて必要なく、私が事前に練習させていた通りの出来映えで、なんだか誇らしかった。

 ここで国王陛下は忌々しい表情を浮かべ、息子のことを見つめているはずだったけれど、今は真面目な表情を浮かべながらも、どこか嬉しそうよ。

 彼だってダスレイン大臣の思惑で誤解をしてしまい、側妃の息子ウィリアムを嫌っているだけで、すべての誤解が解ければ、息子である彼を愛するのだ。

 立太子の儀式を完璧にこなしたウィリアムの姿を見た臣下たちは、手を叩いて祝福を贈りながらにわかに色めきだったようだった。

 これまでは、確固たる後ろ盾もなく父王からも嫌われて離宮に幽閉された王太子ウィリアムなど、すぐに暗殺されてしまうか、その身分を取り上げられてしまうだろうと思っていたことだろう。

 次に王位につくのは、弟王子ジョセフだとそう思っていたはずだ。

 しかし、美麗な容姿にしっかりとした受け答え、堂々とした王者たる者特有の威厳ある立ち振る舞い。

 これまでは身だしなみもろくにしてもらえなかったウィリアムは、時折離宮から出ていても、その姿は馬鹿にされてしまう対象だったはずよ。