この離宮に入ることの出来る、正当な理由を持つ婚約者である私は、一人しかない。出来るだけ短時間で、効率良く動くしかない。
無数にある布地を当てて、手際良くまち針を刺していく私に、ウィリアムは小さく息をついた。
「おい。お前。凄すぎないか……このまま、優秀なお針子にもなれそうだ。本当に、仕事が出来るんだな」
「まあ! ありがとうございます。嬉しいですわ。頑張って会得して得た技術を褒められることほど、嬉しいことはありませんわ」
さきほど、突然私に立ったままで居て欲しいと頼まれ、この前の反省を活かし私が持って来た|仮縫い(フィッティング)中に身につけていても、支障のない薄い下履きを身につけている彼は、呆然としたままでそう呟いた。
思わぬ褒め言葉をもらって笑顔になった私は、ある程度まで縫製されている布を重ね、必要な部分には無数のまち針を刺して、それを幾度となく繰り返す。
長時間かかる単調な作業にも関わらず、言われた通りに動いてくれるウィリアムは、文句の一言も言うこともなく私に付き合ってくれた。
無数にある布地を当てて、手際良くまち針を刺していく私に、ウィリアムは小さく息をついた。
「おい。お前。凄すぎないか……このまま、優秀なお針子にもなれそうだ。本当に、仕事が出来るんだな」
「まあ! ありがとうございます。嬉しいですわ。頑張って会得して得た技術を褒められることほど、嬉しいことはありませんわ」
さきほど、突然私に立ったままで居て欲しいと頼まれ、この前の反省を活かし私が持って来た|仮縫い(フィッティング)中に身につけていても、支障のない薄い下履きを身につけている彼は、呆然としたままでそう呟いた。
思わぬ褒め言葉をもらって笑顔になった私は、ある程度まで縫製されている布を重ね、必要な部分には無数のまち針を刺して、それを幾度となく繰り返す。
長時間かかる単調な作業にも関わらず、言われた通りに動いてくれるウィリアムは、文句の一言も言うこともなく私に付き合ってくれた。



