【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 けれど、コツさえ掴んでしまえば、簡単な構造であるならば、すぐに解除することだって可能だった。

 私が工具を使い何度か動かすと、カチャッと音がして、鍵が開いたことがわかった。

 あら。

 これまでで最速で開けられたわ。自分で言ってしまうのもなんだけれど、私って本当に本番に強いタイプ。

 工具をポケットに仕舞うと、鍵を投げ捨て牢を出て、素早く出口に向かった。

 牢屋のある奥にはくるくると円を描くような螺旋階段があり、そこには外に通ずる扉がある。

 あらあら。拍子抜けするくらい、上手く逃げられそうだわ。

 私が螺旋階段を上がろうとしたその時、キャーと甲高い悲鳴が響き渡り、私は慌てて声の主を確認した。

 外に通じる扉には、ここに居るはずのないキャンディス!


 ああ。竹本さん……嘘でしょう!!


 そういえば、彼女も『君と見る夕焼け』の愛読者だった!! 私が誰かに誘拐されたらしいと聞けば、もしかしてと考えて、ここに来たって何の不思議もないわ。

 不思議はないけど……あまりにも、タイミングが悪すぎるわ。竹本さん!