あ……ダスレイン大臣に、攫われたのかしら?
女官キャンディスと私が親しいことは、彼女を死の危険から助ける時に噂で流れただろうし城では知られているから、罠にかけようと思えば、あの時だったのね。
……すべて上手くいったと思い、完全に油断してしまっていたわ。
……倉庫に配置換えがあったという話も、全部嘘だったのかも知れない。私には以前の職場の人からそう言われれば、真偽を確認することもないもの。
これは、まぎれもなく私のミスだわ。
何も考えずに、あんなひと目のない場所にまで誘導されてしまった。
注意深く身を起こすと鉄格子の外側には、予想通りにやけにほっそりとしていて、やつれていたダスレイン大臣が立っていた。
「……全部、全部、全部。お前のせいだ。お前が悪い。モニカ・ラザルス……お前のせいで、俺の計画がすべて、狂ってしまったんだ!! 何が起こったんだ。お前はもっと金に汚く、権力欲の強い性悪な女だったはずだ。何があったんだ。改心したのは、何が原因だ!! 教えろ。教えろ!! ……教えろ!」
ああ。私を誘拐したのは、やはりこの人だったのね。
女官キャンディスと私が親しいことは、彼女を死の危険から助ける時に噂で流れただろうし城では知られているから、罠にかけようと思えば、あの時だったのね。
……すべて上手くいったと思い、完全に油断してしまっていたわ。
……倉庫に配置換えがあったという話も、全部嘘だったのかも知れない。私には以前の職場の人からそう言われれば、真偽を確認することもないもの。
これは、まぎれもなく私のミスだわ。
何も考えずに、あんなひと目のない場所にまで誘導されてしまった。
注意深く身を起こすと鉄格子の外側には、予想通りにやけにほっそりとしていて、やつれていたダスレイン大臣が立っていた。
「……全部、全部、全部。お前のせいだ。お前が悪い。モニカ・ラザルス……お前のせいで、俺の計画がすべて、狂ってしまったんだ!! 何が起こったんだ。お前はもっと金に汚く、権力欲の強い性悪な女だったはずだ。何があったんだ。改心したのは、何が原因だ!! 教えろ。教えろ!! ……教えろ!」
ああ。私を誘拐したのは、やはりこの人だったのね。



