ラスボスであるダスレイン大臣と無関係な面でも、ウィリアムたちは大変なことになってしまうのだ。

 悲劇フラグを折る作業はまだまだ足りず、私にはこれからも続く大仕事が残されている。

「……ウィリアム様。それでは、私はこのまま邸に戻ります」

「ああ。気を付けて帰ってくれ」

 今のところ、婚約者というお目付役と同伴ならば離宮に出ることを許されているウィリアムと私は、彼の住む離宮の前で別れた。

 ここに来る度に見掛ける目が死んで居る護衛も、なんだか目に光が戻って来ている気がするのは……私の気のせいなのかしら。

 けれど、ラスボスを倒した後の爽快感、もう本当になんと言って良いのか、例えられないわ!

 ダスレイン大臣の末路を聞いて俄然嬉しくなった私は、重いドレスを着ているというのに、スキップでもしそうになりながら城の中を歩いていた。

 ……あ。

 あら。そうだわ。

 このところ私が忙しくて、キャンディスこと、竹本さんのことをほったらかしにし過ぎていたわよね……今なら時間もあるし、久しぶりに彼女の様子でも見に行ってあげようかしら。