2度目の初恋はセレナーデのように


 〇駅裏のギャラリー到着
 いつもはあまり人通りが少ない駅の裏通りだったが、今日は若い女性客で賑わっている。


 歌音「うわあ……すごい人」
 陽暁「盛況(せいきょう)だね。……って、あれは」

 歌音「え?」


 陽暁の視線を辿ってみると見覚えのあるピンクブラウンの髪を見つける。


 歌音「……みりあちゃん?」

 みりあ「え? ……げ」


 どうやら一人で来ていたらしいみりあは、陽暁を視界に捕らえた瞬間うげぇという顔になった。


 みりあ「…………一番会いたくなかったわ」
 陽暁「こっちのセリフだ」


 みりあは二人が恋人繋ぎをしているのを見ると顔をしかめた。


 みりあ「結局つき合っちゃったわけ? 男の趣味悪いわね」

 陽暁「余計なお世話だわ」

 歌音「あ、ははは」


 ガルルルという唸り声が聞こえてきそうなほど顔を突き合わせてにらみ合う二人に、歌音は困り笑いを浮かべる。


 みりあ「ま、冗談はさておき。そういえば、お母さんが頼まれてた調べ事が終わったって言ってたわ。とりにくるか郵送にするか、どっちにするか決めてって」

 陽暁「近々事務所いくって伝えといて」

 みりあ「りょーかい」


 歌音「? なんの話?」
 陽暁「ノンちゃんが気にすることじゃないよ」



 突然の話題転換でついていけなくなった歌音は首を傾げたが、陽暁の笑みで封じられた。


 歌音「そう?」


 歌音(陽くんがそう言うのならそうなんだろうな)


 そんなことをしていると列が前に進み、会場に入ったのだった。