でも相変わらず手は繋がれたまま。

結構慣れてしまった私。

ずっとこのままが良いのにと思ってしまった。

大水槽が見えてきた。

ゆっくり手を解いて、綺麗な水槽に私は小走りで走る。

そうしたら。

目の前に会った小さなゴミにつまづいてしまった。

「ひゃっ」

「危ないっ!」

転ぶと思った瞬間に奏太くんが手を引っ張った。

その勢いで奏太くんの胸に飛び込む形となってしまった。

                      ハ、ハグしてる!?

そう思ったら、奏太くんの顔が近づく。

「大丈夫?」

「うん!大丈夫!奏太くん、ありがとう・・・」

多分私真っ赤な顔してるだろうなぁ。

「本当に、危なっかしいんだから」

「ご、ごめん。」

「でもさ」

「本当に綺麗だね」

「うん。本当に」

私たちの視線にはサンゴの上で光り輝きながら優雅に泳いでいる魚たちがあった。