ある日のこと―



『死神』は、ボスからアジトへ呼ばれた。




「なんですか、呼び出して。」




「新しい仕事だ。」



ボスはそう言うと、一枚の写真を『死神』に渡した。



その写真には、少女が映っていた。



真っ白な長い髪に、くりっとした目、ダボっとした白い服。



「今回の仕事は、ある研究をしているラボの職員の始末と、その少女の救出だ。」



「何故、少女だけ救出するんですか?」



「そこのラボは、超能力の研究をしていて、その子が唯一の成功者。」



「『唯一』ということは、他にもいるんですか。」



「それが、その娘以外は全員、実験で死んでいる。」



『死神』は目を見開いた。



「しかも、被検体全員、誘拐をしている。おまけに幼子。むごすぎるだろ。」



「わかりました、この仕事、受けます。」



『死神』は、真剣な顔で言った。