4
えみの困惑した瞳が、ちらりと教授を見ている。
「……意外だねえ。私が何とか言っておくが、いいのか? この子で」
教授は、少し戸惑いを見せながら、俺を見ている。
「ああ。じゃあ決まりだね」
俺は、そう言って、ちらりと腕時計を見た。
次の約束の時間が近づいている。
もう夕暮れ時で、この後は幼馴染たちと飲む予定だった。
休みの日に時間に追われるなんて、俺らしすぎる。
どうも予定がきっちり決まっていないと、落ち着かない。
俺は、すぐそばに置いてあった黒のジャケットを取り、立ち上がった。
ふと目の前のえみに、びっくりする。
ほっそりとしているが、それ以上に小柄で小さかった。
百九十センチ近い俺と比べて、四十センチ近く低い。
確か、昨日の見合い相手の姉は、高いピンヒールを履いていたが、ここまで低くはなかった。
「君って、身長何センチ?」
「……百五十五センチです。白石さんは百九十センチ近くありますよね。モデル体型のしえ姉さんと違って低すぎる私では、一緒に連れて歩くと格好悪いのでは?」
えみは、苦虫を噛み締めながら言ってくる。
「関係ないよ。身長なんて」
俺は、自信なさげなえみに苦笑して、彼女の前へ立った。
さらりと流れる綺麗な黒髪に、そっと唇を当て、細腰に手を添え、少しだけ抱き寄せた。
「!?」
真っ赤に頬を火照らせたえみが、やけに可愛く感じる。
「それじゃあ、教授に頼んでおくから、絶対来いよ。子猫ちゃん」
するりと通り過ぎながら、俺はえみから柔らかなコロンの匂いを感じていた。
どうしてもえみのことが知りたくなってしまう。
本気で教授にこの件に関して頼んでみようと、俺は考えていたーー。
えみの困惑した瞳が、ちらりと教授を見ている。
「……意外だねえ。私が何とか言っておくが、いいのか? この子で」
教授は、少し戸惑いを見せながら、俺を見ている。
「ああ。じゃあ決まりだね」
俺は、そう言って、ちらりと腕時計を見た。
次の約束の時間が近づいている。
もう夕暮れ時で、この後は幼馴染たちと飲む予定だった。
休みの日に時間に追われるなんて、俺らしすぎる。
どうも予定がきっちり決まっていないと、落ち着かない。
俺は、すぐそばに置いてあった黒のジャケットを取り、立ち上がった。
ふと目の前のえみに、びっくりする。
ほっそりとしているが、それ以上に小柄で小さかった。
百九十センチ近い俺と比べて、四十センチ近く低い。
確か、昨日の見合い相手の姉は、高いピンヒールを履いていたが、ここまで低くはなかった。
「君って、身長何センチ?」
「……百五十五センチです。白石さんは百九十センチ近くありますよね。モデル体型のしえ姉さんと違って低すぎる私では、一緒に連れて歩くと格好悪いのでは?」
えみは、苦虫を噛み締めながら言ってくる。
「関係ないよ。身長なんて」
俺は、自信なさげなえみに苦笑して、彼女の前へ立った。
さらりと流れる綺麗な黒髪に、そっと唇を当て、細腰に手を添え、少しだけ抱き寄せた。
「!?」
真っ赤に頬を火照らせたえみが、やけに可愛く感じる。
「それじゃあ、教授に頼んでおくから、絶対来いよ。子猫ちゃん」
するりと通り過ぎながら、俺はえみから柔らかなコロンの匂いを感じていた。
どうしてもえみのことが知りたくなってしまう。
本気で教授にこの件に関して頼んでみようと、俺は考えていたーー。


