溺愛してみたい君振り向かせたくて

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 私は、先妻の娘であり、姉しえの言いなりに生きてきた。

 それは仕方ないこと。

 父と母の再会で、姉は母親から引き離された。

 事実かわからないけど、姉の母親の黙認されていた浮気。

 私の母を得るために、父は糾弾して追い出したらしい。

 姉は、世間体のために父に引き取られた。

 母親と一緒に追い出すには、実の娘。

 父は、糾弾したとはいえ、自分も同じことしていたらしいし。

 姉は、実の母の唯一の頼み、跡継ぎ、財産を得るため残った。

 姉の母親は、家にいない人で娘と関わろうとしなかったから。

 私の母は、姉を不憫に思い一番に可愛がっている。

 姉は、私たち母娘を疎んでいるが外面だけいい。

 私は、何度も姉の友人から危ない目にあった。

 いつも助けてくれたのは、幼馴染の姉妹だった。

 だが彼女たちの兄の方は、姉にぞっこんだったけど。

 留学したり、どうにかやり過ごして今に至る。

 難問は多い。

 目の前の彼、姉の見合い相手。

 私のどこがいいのだろうか?

 幼馴染の彼には、しつこいほど嫌われたのに。

 それなのにどうもわけわからない、俺様に好まれる傾向がある。

 友人に言わせると、姉の私への扱いらしい。

 母に言われて、姉への腰の低さ。

 自信のなさ。

 それなのに、我慢足りないところあり、爆発して怒るところ。

 それは姉でも、誰でも。

 それが妙に、嗜虐心をそそるらしい。

 私自身、よくわからない。

 ただ言えることは、目の前の彼は誰よりも誠実。
 
 最初から好意的だし、優しい。

 意地悪なところは多々あるけど、うわべだけじゃない。

 口元だけじゃない、笑う瞳はうっとりするほど優しく甘いから。

 だからこそ、彼から全力で逃げにくいのかもしれないし、誤解されたくもないかもしれない。

 幼馴染の姉の下僕に、抱いてなんて言ってない。

 でも春日教授は、姉の味方。

 私の味方は、幼馴染の姉妹と数少ない友人たちしかいない。

 いくら私が好意的なっても、無理難題だらけ。

 姉は、私の不幸しか見ていないのだから。