溺愛してみたい君振り向かせたくて

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 えみは、しばらく少し大人しくなっていたが、 食事の時にはご機嫌になっていった。

 えみは、俺から一歩離れてしまうところが多々ある。

 俺は、そばにいたいし、強引に引き寄せていた。
 
 面白いことに、えみは他とは違うところがありすぎる。

 ちゃっかりしていて、皿洗う時は仕切って、俺をうまく利用してしまう。

 他の女性なら、遠慮して絶対にさせてくれなさそうなのに。

 えみの呑気な口調、どうしても逆らえないところがあった。

 くるくる変わる表情。

 話好きで舌足らずで。

 俺は、どんどん惹かれていた。

 食事の後片付けが済んだら、しばらくイヴェントは休憩となった。

 俺とえみは、専用のテントのシーツの上で寛いでいる。

「このあとは、自由に泳げるみたいだな」

「楽しみですね」

「でもここって、結構深いんだよ」

「祥さんは、ここに来たことあるのですか?」

「ああ。何度かね。ここは俺のお気に入りのリゾート地だから」

 特に夏真っ盛りなこの時期はいい。

 ここは会員制の高級ホテル内にあるプライベートビーチ、限られた人数で子供も少ない。

 比較的波が高くて、深くて危険なせいもあるが。

「そういえば、泳げないんだっけ?」

 俺は、えみと最初に会った時会話していた内容を思い返していた。

「は、はい。でも、波打ち際でのんびりとつかっているのは好きで。泳ぎたいのであれば、祥さんは私に構わないで、好きにしててくださいね」

 えみは、苛立つようなつれないことを言ってきた。

「俺が教えてやるよ」

「いえ、邪魔になると悪いですし」

「邪魔になんて、ならない」

「で、でも」

 えみが何か他に言いかけた時、レスキーの笛の音が響いてきたーー。