梓沢くん、拾っちゃいました。

 わたしは教室のカーテンの中に入って隠れたまま窓から外を見る。


 あ、校庭でサッカー部が練習してる。

 みんながキラキラして見える。


「いいなぁ」


 涙が零れ落ちていく。


「何が?」


 後ろから声が聞こえて振り返る。

 カーテン越しに見える梓沢くんの顔。


「あ、梓沢く…」

「なんで泣いてるの?」

「泣いてな…」

「声で分かる」


「わ、分かるならもう放っておいて」


 こんな顔、梓沢くんに見られたくない。


「嫌だ」


 そう言って梓沢くんはカーテンごとわたしを前から抱き締める。