天使なのに、なぜか甘やかされています。

「……千煌(ちあき)、いいんかよ」
「……お前、中1の時からひかりのこと」
 星谷《ほしや》くんは小声で尋ねる。

「……幸せになってくれるならなんだっていいよ」
「……(なお)こそ、彼女と帰らなくていいのか?」
 清丘(きよおか)くんは小声で返す。

「……他校だから会える時にあってるから大丈夫だ」

 清丘(きよおか)くんはひかりちゃんが中1の時から好きで、
 星谷《ほしや》くんも他校に彼女がいたんだね……。

白鳥(しらとり)ちゃん、なんか巻き込んでごめんな」
 清丘(きよおか)くんが謝る。

「い、いえ」

「んじゃ、俺達も帰るか」
 星谷《ほしや》くんがそう言い、わたし達は歩き出す。