天使なのに、なぜか甘やかされています。



 世河(せがわ)くんの言葉にコクンッと頷くだけで、うんとは言えないまま、お昼ご飯を一緒に終え、5、6限の美術の授業を受け――、放課後。

「ひかり、(ひじり)くんと付き合うの?」
いつも通り5人で帰ろうとしたところ、クラスの大人っぽい女子がひかりちゃんに尋ねて来た。

「え、なんのこと?」

(ひじり)くんとひかりが付き合うのも秒読みだって女子達騒いでるよ」

 ひかりちゃんは驚いて動揺する。
「な、何言ってんの? そんな訳な……」

「ひかり、俺達3人で帰るから(ひじり)と帰りなよ」

 清丘(きよおか)くんが優しく言うと、ひかりちゃんは両目を見開く。