天使なのに、なぜか甘やかされています。

「あぁ。お前が屋上階段登っていくのが見えて」
「このローファーは帰ろうとして隣のクラス(2組)横切ったら」
「名前も知らない女子が2人の女子と一緒に教室のゴミ箱にローファー捨てようとしてたの目撃して声かけたら返してくれた」
「あんな地味女が俺と同じクラスになれて、自分達がなれなかったのが許せなくて八つ当たりで針金で下駄箱の鍵を開けてやってたらしい」
「まあ要するに嫉妬ってやつだな」

えぇ!?
わたし、隣のクラス(2組)の子に嫉妬されていたの!?

「でも今日で解決したからもう大丈夫だ」

世河(せがわ)くんはローファー入りのビニール袋を拾って手渡す。
わたしはそのビニール袋をぎゅうっと抱き締める。

涙があふれる。

「ありがとう、ございます」
「これで帰れます」

「どういたしまして」

世河(せがわ)くんはわたしに返すと、立ち上がる。
そして階段に落ちていたあるものを拾う。