天使なのに、なぜか甘やかされています。



 ――翌日の昼休み。
 わたしはいつも通り廊下を歩き、屋上階段に向かっていた。

 昨日はあれから、世河(せがわ)くんと流星群を見る約束をして、
 ベランダから翼を広げて飛んで自分の部屋まで帰ったけど、
 帰りたくなかった、一晩だけでも一緒にいたかった、という気持ちに今も駆られている。

 世河(せがわ)くんの部屋まで行けて、
 抱き締めてもらえただけでも奇跡なのに、
 わたし、なんてわがままで欲張りなんだろう。

 恋をすると独占欲、強くなるんだなぁ……。
 とにかく、早く、世河(せがわ)くんに会いたいな。

 そう思いながら、階段を上ろうとした時だった。
 突然、右腕が薄くなる。