天使なのに、なぜか甘やかされています。

世河(せがわ)くんのその言葉を聞いたら一時的に薄くなった左腕は元に戻った。

 電話が切れると、レインに住所が送られてくる。

 飛んで行くならそんなに遠くないかも。

 わたしは起きて立ち上がり、開いた扉からベランダに出る。
 そして扉を閉め、天使の力で鍵をかけるとわたしは翼を広げ、世河(せがわ)くんのベランダまで飛んで行く。

 あ、白いお花が植えてある。
 ここで間違いなさそう。
 世河(せがわ)くんのところのベランダ、シンプルだけど、とてもオシャレ……。

 この扉の先に世河(せがわ)くんが……。