天使なのに、なぜか甘やかされています。

 右手のスマホの画面を見る。

 え、世河(せがわ)くん!?

 わたしは息を吐いて冷静になると、電話に出る。

『もしもし、白鳥(しらとり)?』
『メッセの続き待ってても返ってこないから、気になって掛けたけど、大丈夫か?』

「あ、はい。今返そうと思っていたところです」

『声震えてる。何かあったのか?』

「っ……」

 なんで、気づいちゃうの?

 左腕薄くなったままじゃ行けないこと分かってるのに。
 もう限界。

「…………今一人でいたくない」
「この部屋にいたくない」
「だから世河(せがわ)くんのとこに飛んで行ってもいい?」