天使なのに、なぜか甘やかされています。

「やっ、やめて!」

 お義姉(ねえ)さまはわたしに向かってスマホを投げ捨てる。

「痛っ」

 お義姉(ねえ)さまはわたしの顎をガッと掴む。

「このことは母さまと」
「“父さま”にも報告しておくから」

「私に逆らったこと生涯後悔するがいいわ」

「天使の家系だってバラしたとしても魅力のないあんたが普通の人間と両想いになれるはずないもの」

 お義姉(ねえ)さまはそう強く言い、ベランダの扉から翼を広げ、飛んで帰っていった。