天使なのに、なぜか甘やかされています。

「大丈夫じゃなさそうだな」
「とりあえず、退いてくれる?」
「近い」

世河(せがわ)くんにそう冷たく言われ、

キス出来そうな距離な上に、

グレーのブレザー下のふわりと可愛いチェック(ピンク、グレー)のスカートが、
世河(せがわ)くんの制服(自分と同じデザイン)にかかっている体制なことに気づく。

その瞬間、涙が引っ込むのと同時にわたしの顔が急激に熱くなり、バッと退く。
すると世河(せがわ)くんは起き上がり、わたしの右膝を見る。

「擦りむいてる」