天使なのに、なぜか甘やかされています。

 その後、5限の国語の授業を受けて終わると、
 男の涼宮(すずみや)先生にうたた寝してしまったせいで、教壇に集められたノートを運ぶのを頼まれた。

 先生やみんなの役に立てるならとわたしは1組全員分のノートを両手で持ち、教室を出る。
 すると、世河(せがわ)くんに教室がちょっと見えなくなったところで声を掛けられ、半分ノートを持ってくれた。
 密かに手伝ってもらえるとは思いもよらず、わたしは驚く。

「はー、頼れよ」


 スノードロップの花のように、雪から出てきて、冷たいと思ったら、
 雪が溶けて、甘いドロップだけになったり、

 役に立つどころか毎日、甘やかされてしまっている。

 わたしより、よっぽど天使だ。
 もっと役に立たなくちゃ。