天使なのに、なぜか甘やかされています。

「え゛」
 わたしはとても驚いて変な声を出す。

「え゛って何?」

「だめってこと?」

「だめ、じゃないです」

 頬の熱を感じながら言い、お弁当箱を差し出すと、世河(せがわ)くんは箸でハンバーグを切って一口食べる。

 世河(せがわ)くんが、わたしの作ったハンバーグ、食べてる。
 夢を見ているみたい。

「どう、でしょうか……?」
 わたしは恐る恐る尋ねてみる。