天使なのに、なぜか甘やかされています。

スノー色の綺麗な髪。
両耳で(きらめ)くシルバーのピアス。

やんちゃでクールな雰囲気で、
黒い長髪のわたしより見た目が天使な、

まるでスノードロップのような男の子が、
無表情なままわたしをじっと見つめている。

同じクラス(1年1組)で人気者の世河聖(せがわひじり)くん!?

わたしは驚きで固まる。

「おい、大丈夫か?」

――――え、逆に心配された?

そのことが嬉しくて涙腺が緩み、わたしはつい、泣いてしまう。