天使なのに、なぜか甘やかされています。



 わたしはお父さんからの留守電を聞き、恐怖に襲われ、しゃがみ込む。

 お義姉(ねえ)さまが、近々、この部屋に?
 どうしよう。
 どうしたら――――。

 ピロン♪
 スマホが短く鳴った。

 わたしは画面を見てみる。

 え、世河(せがわ)くんから!?

 とても驚きつつ、レインを開く。

『部屋に着いたか?』

 世河(せがわ)くんからの初めてのメッセージを見て、わたしは思わず泣いてしまう。

 世河(せがわ)くんはいつもわたしを救ってくれるね。

 留守電は聞かなかったことにしよう。

 わたしはそう決めて、世河(せがわ)くんに返信する。

『はい。世河(せがわ)くんは?』