天使なのに、なぜか甘やかされています。

 わたしはまた塞ぎ込む。

「実は天使の血を持つ者は少なく、それぞれ階級に合った隠れ家を持っていて」
「わたしは結界が貼られた普通の人間には見えない」
「人間界にある、秘密の隠れ家に、下級天使のお母さんと住んでいたけど」
「お母さんが幼い頃に病死して、わたしは義理のお義母(かあ)さまに貰われて、お義母(かあ)さまの隠れ家に住むことになったの」

「だけどわたしも下級天使で連れ子な上に、代々髪は白色なのにお母さんと一緒の黒色の長髪だから」
「上級天使一家のお義母(かあ)さまと2つ上の綺麗な(いばら)という名前のお義姉(ねえ)さまから気味悪がられて日々いじめられて……」

「それが原因で小中は休みがちで、家でこっそりと勉強して」
「わたしは自ら家を出て、天籠(あまかご)高校を受験して受かり」
「今はなんとか、唯一味方の上級天使で長髪のお父さんの仕送りで契約したこの天籠(あまかご)高校まで一駅で通えるマンションに一人暮らしをしていて……」