天使なのに、なぜか甘やかされています。

 一番後ろから世河(せがわ)くんの声が聞こえ、
 冷静に戻ると天使オーラの発動が止まった。

 周りがざわめく。

「今の何~?」

「一瞬日差しが強かっただけじゃね?」

 女子と男子の声が聞こえると、
世河(せがわ)、お前もか」
 (たまき)先生が呆れた声で言う。

 今はここにいたくない。

 ガタッ。
 わたしは席から立ち上がる。

「あの、保健室行って来ます」

 わたしはそう言って、逃げ出すように1年1組の教室を出た。