天使なのに、なぜか甘やかされています。

「はー、昨日もう大丈夫だって言っただろ」
「早く開けろよ」

「は、はい」
 世河(せがわ)くんに()かされ、鍵で解錠し、下駄箱の扉を開ける。

 綺麗に揃えられた黒いローファーがちゃんと入っていた。

世河(せがわ)くん、ローファーあった」

 世河(せがわ)くんは何も言わずに優しくわたしの頭をぽんっと叩く。

 わたしはただただ嬉し涙を零した。