天使なのに、なぜか甘やかされています。

「声、かけに来いよ」
　世河(せがわ)くんは清丘(きよおか)くんに向けて言う。

「あの状況で、かけにいける訳ないだろ」

「てか、今まで何してたんだよ」

「直(なお)達が駅に来るまで音楽聴いてたよ」
「で、白鳥(しらとり)さん、口説いた感想は？」
　清丘(きよおか)くんが爽やかに尋ねる。

「口説てねぇわ」
「ただ転びそうだったから支えてやっただけ」
　世河(せがわ)くんは冷たく答える。

「ほう」
　清丘(きよおか)くん達が声を揃えて言う。