天使なのに、なぜか甘やかされています。

「最初はいじめられてるお前を放っておけなくて屋上階段に行って、靴を渡したらそれで終わろうと思ってた」

「でも、天使だって知って、気が変わったんだ」

「そして関わっていく内に、俺の役に立とうとする度に、誰よりもお前を甘やかしたいって」


「気づいた時には、好きになってた」


「――あの日、屋上階段に来てくれたのが世河(せがわ)くんで良かった」
「消えなくて済んだ」


世河(せがわ)くん、わたしが天使だって気づいてくれてありがとう」


 世河(せがわ)くんはわたしを少し離してじっと見つめる。