天使なのに、なぜか甘やかされています。

 世河(せがわ)くんが叫び、階段を駆け上がってきた。

 世河(せがわ)くん、息を切らして……。
 来て、くれた。

世河(せがわ)くん……なんで?」

「教室でお前を待ってた時、嫌な予感がして職員室に行ったら」

「とっくに出て行ったこと」
「そして転校のことを聞いた」

「しかもその後、鞄の羽根、教室で見た時より薄くなって」
「今のお前を見て、確信した」

「なんでずっと、体が消えかけてたこと黙ってた? 転校ってどういうことだよ!?」
「お前自身も薄くなってるし意味分かんねぇよ!!」

 世河(せがわ)くんは怒鳴る。