天使なのに、なぜか甘やかされています。



 (ひじり)霞堂(かすみどう)から羽美(うみ)のことを聞いて職員室から出ると右手で顔を隠す。

 教室で待っていた時、嫌な予感がして職員室に来たが、その予感は当たってしまった。

 (ひじり)は、ふと鞄のポケットに入った羽美(うみ)の羽根を見る。

「は? ほとんど見えねぇくらい薄くなってる?」

 両目を見開いて一瞬固まるも、すぐに我に返り、あることに気づく。

「もしかして今までのぜんぶ、体調が悪いんじゃなくて体が消えかけてた?」

白鳥(しらとり)!」

 (ひじり)は必死な表情で叫び、駆け出した。